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小林よしのり
2015.2.14 04:33

イスラム国と戦うための2億ドル支援という失言


内閣参与の飯島勲が週刊文春で、安倍首相の中東歴訪や

イスラム国と戦うための2億ドル人道支援」が

テロを誘発したという意見を否定している。

冗談じゃないよ。ISIL側が都合のいいタイミングを

狙って表に出してきただけ」だと言っている。

これ、どういう意味だ?

 

イスラム国が、安倍首相の中東歴訪が都合のいい

タイミングだと思って、邦人二人の映像を出してきた

と言うのだろうか?

それって何の意味があるの?

 

去年から後藤さんの家族へは、イスラム国から人質交渉

のメールは来ていた。

外務省は秘密裡に交渉をする努力はしていたのかもしれない。

だが安倍政権はそれどころじゃなく、解散総選挙に興じていた。

 

秘密裡で続けられていた人質交渉を、イスラム国側が公にした

タイミングは、安倍首相の中東歴訪だった。

なぜそのタイミングだったのか?

 

それはイスラム国にとって、「都合のいい・悪い」の問題では

ないだろう。

「都合のいいタイミング」なんか、ありゃしない。

 

映像公開の動機は、安倍首相が「イスラム国と戦う周辺国に

2億ドルの人道支援」と言ったからであり、この言葉は当然、

イスラム国と戦うための2億ドル」だとイスラム国側

からは解釈できる。

 

最近の自称保守派や雑誌は、この「イスラム国と戦うための

2億ドル」というニュアンスを消して、単なる「人道支援」

という言いかえ運動をやっている。

左翼が「慰安婦」を「従軍慰安婦」と言い換えるのと似た

手口で、国民を騙そうとしている。

 

人質を助けられなかったことで、政府を責めるのは

間違っている。

 

だが、日本人全員をテロのターゲットにさせたことを、

わしは首相の失策だったと言っているのだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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